TOP > 転職活動のポイント > 2010年代の中高年転職事情
学生さんが在学中に資格を取得して履歴書内でアピールすることはインパクトがあり、ポイントも高くなりますが、取得した資格と年齢によっては、まったく活かせないこともありますので注意が必要です。
資格が有利に働くのは書類選考の段階までで、ほとんどの企業は実務経験者を優先的に採用しているのが実態です。
これまでの経験業務に関連した資格にチャレンジし、ステップアップを図ることは大切ですが、資格を取っても実務経験がないとNGになってしまうというケースも多々あります。

たとえば、秘書・簿記・医療事務・社会保険労務士・キャリアカウンセラーなどの資格は、実務経験がないと年齢に関係なくNGとなりやすいのが現実です。
また、ポリテクセンターなどの公的機関で職業訓練を受ける方々も増えてきましたが、公的機関での学習は実務経験にカウントしてもらえない場合がほとんどですので、資格取得後および実務研修終了後の就職率を確認してから、申し込みをされることをおすすめします。
働いている間に業務に関連した資格を取得することは、ステップアップにつながりますので賛成です。
しかし、離職後に再就職のため資格にチャレンジする際には、年齢が上がるほど役に立たない資格も多く、費用と時間の無駄になる場合がありますので、離職中の方は特に注意してください。
歴史の長い企業ほど給与制度も整備されています。大卒の定期採用がはじまってから約40年が経ちますが、貨幣価値を加味し物価上昇に合わせる目的もあり2008年のリーマンショックまで新入社員の賃金は上昇カーブを描き続けてきました。
また、次年度の新入社員との給与格差を維持するために、ベースアップや定期昇給が実施されており、労働者の能力や実績に関係なく毎年給与をアップさせてきた企業も多くありました。
こうした給与制度(賃金テーブル)を設けている企業は、基本給のなかに「年齢給」という項目があるため、年齢の高い人を中途採用した場合は高額な給与を支払うことになるため、給与(人件費)を抑えられる若い人が優先となってしまうというのが最大の理由です。
そのほか、平均年齢を下げたい、少しでも長く働いてもらいたい、体力的にもスピード的にも充実した人材がほしい、自社のカラーに染めやすい、などの考えが企業サイドにあるのもその理由でしょう。
特に経験年数では能力や成果に差が生じにくい、女性の事務職などのポストでは顕著です。
2008年のリーマンショック以降、世界的な金融不安に陥りました。
日本企業も不況のあおりを受け、業績の悪化から賞与が減少し、ベースアップや定期昇給もなくなり、この数年間では年収が毎年1割ダウンで推移しています。
さらに、企業の倒産が相次ぎ希望退職を導入する企業も増えたため、労働市場に優れた人材が大量に溢れるようになりました。
これまではハローワークに求人を出しても企業が求める人材層が集めにくかったのに対し、いまでは賃金が低くても優れた人材が容易に採用できるようになるなど、採用市場は大きく変化しています。
また、雇用形態が多様化したことにより、これまで正社員が行っていた仕事を、派遣スタッフ、アルバイト、契約社員が代行するようになり、正社員のポジションが極端に少なくなったことにも起因して、サラリーマンの年収は大幅にダウンしてしまいました。業績が回復した企業に関しても、希望退職や解雇などの企業リスクを避けるため、今後も正社員以外での求人が主流となってくると思われます。したがって入社時の給与(年収)にこだわりすぎず、入社してからアップさせる意気込みと妥協が必要です。
給与水準の低下の項目でご説明した通り、これまでは本人の能力や貢献度に関係なく年収アップが期待できた時代でしたが、現在では年収300万円以下の人が全労働者の4割近くも占める厳しい時代です。
いままでは○百万円もらっていたから転職後も同金額がほしいという気持ちはよく理解できます。しかし、一旦会社を離れてからの市場価値は下がってしまうことをお忘れなく。年齢別にはおおむね以下の通りです。

ゼネラリスト→スペシャリスト→プロフェッショナルの時代へ
1970年代のオイルショック以降の約15年間は高度成長期に突入したこともあり、企業は多角経営に乗り出し、いくつもの関連会社や子会社をつくってきました。
そうした背景があり、企業は将来の幹部候補生を育成するため新入社員を3年から5年で各部署をローテーションさせ、会社のすべてを理解できる人材(ゼネラリスト)を育ててきたのです。
しかし、そうした環境で育ってきた人材は専門領域を持ちません。
いざ経営幹部になると、会社経営にもっとも重要な営業部門、財務経理部門、経営企画などで計画・判断ミスがあっても、それに気づかないということが往々にして起こるようになりました。
そこで間違いに気づいた経営者は、1980年代半ば以降、より各業務に精通したスペシャリストの育成に乗り出しました。
しかし、このスペシャリストと呼ばれる人材も、専門領域が狭いために得意分野以外のことにおいては的確な判断ができず、専門バカで終わってしまうことが判明し、経営幹部の育成方法としては失敗に終わりました。
こうした人材育成の失敗を繰り返して出てきた答えが、プロフェッショナルの採用です。これは、育成するより必要なときに必要な人材を採用すれば良いという考えから生まれました。
どんな仕事でも知識や経験が豊富であればスペシャリストと呼ばれていますが、与えられた業務を完璧にこなすだけでは、プロフェッショナルとは言えません。
プロとは、利益をつくり出す仕組みを考えることができ、それを自らが実行できる人のことです。
言い換えれば、与えられた仕事を正確に処理する能力にくわえ、生産性や効率性を高める創意工夫や、問題解決能力が必要とされる時代に突入したと言えます。
離職者の方々を含め、仕事をしているときに満足感・充実感が味わえましたか?
皆さんそれぞれ環境や価値観が違うため一概には論じられませんが、仕事や企業に対しての期待が大きすぎると応募する際に迷いが生じ、チャンスを逃してしまう人を最近では多く見かけます。
当社代表の川村の周囲にも50歳を過ぎてから再就職に成功した人がいますが、ほとんどが大幅な収入ダウンを余儀なくされています。
しかし、不満を持つ人はほとんどいません。
職場の人間関係、仕事の充実感、帰宅時間が早くなり休日が取れるようになったことなど、これまでには体験できなかった生活環境の良さの発見や、家族との会話時間が持てるようになったことで、お金には代えられない価値を見出し、ささやかな幸せを掴んでいます。
安定していて、高収入で、やりたいことをさせてくれる。そんな夢のような会社は現実にはありません。ですが、あなたが考え方を変えることで、幸せはいかようにも掴めるのです。
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